実家の片付けや大掃除で、古いお金（古銭や旧紙幣）が見つかることがあります。「もしかしたらお宝かもしれない」「価値があるのでは？」と気になる方もいるでしょう。

しかし、専門知識がないと価値を知らずに捨ててしまうケースも少なくありません。

この記事では、昔のお金の価値について解説します。

価値がつくお金とつかないお金の見分け方、代表的な古銭や旧紙幣の買取相場一覧を紹介。また、損をしないための売却方法や、信頼できる業者の選び方も説明します。

片付けや遺品整理で見つけた古銭の扱いに迷っている方は、参考にしてください。

価値がある昔のお金の種類と特徴は？

昔のお金と一口に言っても、その種類は多岐にわたります。
ここでは、特に高額買取が期待できる古銭・硬貨や旧紙幣の具体的な種類、そして価値を左右する要因について解説します。

• 価値が出やすい古銭・硬貨の種類
• 価値が出やすい旧紙幣の種類
• 価値が跳ね上がる「エラー銭・エラー紙幣」とは
• 年号や番号、状態で価値は変わるか

価値が出やすい古銭・硬貨の種類

価値が期待できる古銭や硬貨には、以下のような種類があります。

• 金貨・銀貨
  素材そのものに資産価値があるため、高額買取が期待できます。明治時代の旧金貨や、貿易銀と呼ばれる銀貨などが代表的です。
  
• 記念硬貨（貴金属製）
  天皇陛下御即位記念の10万円金貨など、発行数が限られた金や銀で作られた記念コインは、額面以上の価値がつくことがほとんどです。
  
• 古い時代の古銭
  江戸時代の大判・小判、寛永通宝（特定の書体）、丁銀など、歴史的価値が高いものです。
  
• エラー硬貨
  穴ズレ、穴なし、角度ズレ、刻印ミスなど、製造工程でミスがあったものです。
  
• 特定の年号の硬貨（特年）
  発行枚数が極端に少なかった年号の硬貨（例：昭和61年後期の10円玉など）は、収集家の間で高値で取引されます。

価値が出やすい旧紙幣の種類

旧紙幣（旧札）では、特に人気が高く希少性のあるものが高値で取引されます。

• 聖徳太子の紙幣
  1万円札、5千円札、千円札、百円札など複数の額面で存在し、特に初期のものや状態が良い（ピン札）ものは価値が高いです。
  
• 板垣退助以外の100円札
  聖徳太子の100円札や、大黒天が描かれた古い時代の100円紙幣なども人気があります。
  
• 古い時代の紙幣
  明治通宝、神功皇后の紙幣、国立銀行紙幣など、明治・大正時代に発行されたものは希少価値が高いです。
  
• エラー紙幣
  印刷ミス、裁断ミス（福耳）のほか、記番号が珍しい（ゾロ目、連番、1番など）ものも付加価値がつくことがあります。
  
• 軍用手票
  戦時中に軍が発行した紙幣も、種類や状態によっては価値がつきます。

価値が跳ね上がる「エラー銭・エラー紙幣」とは

エラー銭やエラー紙幣とは、製造過程のミスによって生まれた「不良品」のことです。

本来は検品ではじかれ市場に出回らないはずの品であるため、その希少性から収集家の間で非常に高い価値がつくことがあります。

硬貨の場合は「穴ズレ」「穴なし」「刻印が二重」、紙幣の場合は「印刷ズレ」「裁断ミス（福耳）」「インクのにじみ」などが代表例です。
もし見つけた場合は、思わぬお宝である可能性が高いです。

年号や番号、状態で価値は変わるか

昔のお金の価値は、年号、記番号、そして「状態」によって大きく変動します。

硬貨の場合、発行枚数が極端に少ない年号は「特年」と呼ばれ、同じ額面でも価値が数十倍から数百倍になることがあります。

紙幣の場合は、記番号（アルファベットと数字）も重要です。
「A000001A」のような1番、ゾロ目（例：777777）、キリ番（例：100000）などは、付加価値がつくことが多いです。

そして、重要な要素の一つが状態です。
未使用品（ピン札）や、それに近い「美品」であるほど価値は高く、汚れ、シミ、折れ、サビがあると価値は下がってしまいます。

【種類別】昔のお金の価値と買取相場一覧

昔のお金には様々な種類があり、価値も異なります。ここでは代表的な古銭・旧紙幣の買取相場（目安）を一覧で紹介します。
ただし、状態や希少性、査定時期によって価格は大きく変動するため、あくまで目安として参考にしてください。

種類	額面	買取相場（目安）
和同開珎	–	100万円〜（レプリカは除く）
寛永通宝	一文銭	数十円〜（希少なものは数万円）
10円金貨（旧）	10円	50万円〜100万円以上
1円銀貨（明治）	1円	5,000円〜10万円前後
記念硬貨	100円	額面通り〜（希少なものは数千円）
聖徳太子	100円札	数百円〜（状態・番号による）
板垣退助	100円札	額面通り〜数百円

旧1万円札（聖徳太子）の価値と相場

聖徳太子が描かれている旧1万円札は「C号券」と呼ばれ、1958年から1986年まで発行されていました。
日本で初めて発行された1万円札で、表面に聖徳太子、裏面に鳳凰が描かれているのが特徴です。

記番号（通し番号）が1桁であったり、ゾロ目であったりするなど、珍しい番号の紙幣は高値で取引される傾向があります。

聖徳太子が描かれている1万円札の買取相場目安は以下の通りです。

• 未使用：〜1万2000円前後
• 使用済み：〜1万円前後
• 通し番号が1桁：〜10万円前後
• 通し番号がゾロ目又は連番：〜50万円前後

旧1万円札（旧福沢諭吉）の価値と相場

旧福沢諭吉が描かれている旧1万円札は「D号券」と呼ばれ、1984年から2007年まで発行されていました。
表面には福沢諭吉が描かれています。

2004年から現在まで発行されている新1万円札と似ていますが、裏面で見分けることが可能です。
旧福沢諭吉の1万円札は裏面に「雉（キジ）」が、新1万円札は「平等院鳳凰堂」が描かれています。

旧福沢諭吉の1万円札も、記番号が珍しい場合は高値がつく可能性があります。
買取相場の目安は以下の通りです。

価値がつく昔のお金（古銭・旧紙幣）と価値がつかないお金の違いは？

昔のお金が額面以上の価値を持つかどうかは、いくつかの明確な基準によって決まります。ここでは、価値がつく品とつかない品の違いや、銀行での取り扱いについて解説します。

• 額面以上の価値がつく古銭・紙幣の共通点
• 価値がつきにくいケース：額面通り・両替
• 銀行での両替は可能か

額面以上の価値がつく古銭・紙幣の共通点

額面以上の価値がつく昔のお金には、主に「希少性」と「収集家の需要」という共通点があります。

具体的には、発行枚数が極端に少ない特定の年号の硬貨や、現存数が少ない古い時代の紙幣（金貨・銀貨など）が挙げられます。

また、聖徳太子の紙幣のようにデザインの人気が高いものや、製造ミスによるエラー銭・エラー紙幣も希少価値から高額になります。

希少性や需要といった要素に加え、シミや折れがない「状態の良さ」も価値を左右する重要なポイントです。

価値がつきにくいケース：額面通り・両替

一方で、価値がつきにくい、あるいは額面通りの価値にしかならないケースもあります。

代表的なのは、比較的新しい時代に発行され、流通量が多かった旧紙幣や記念硬貨です。

例えば、岩倉具視の500円札や、大量に発行された天皇陛下御在位記念の500円硬貨などは、状態が良くない限り額面通りとなることが一般的です。

また、どれだけ希少なものであっても、サビや破損がひどく原型を留めていない場合は、価値が大幅に下がってしまいます。

銀行での両替は可能か

現在発行されていない旧紙幣や、一部の記念硬貨は、銀行の窓口で現在のお金に両替（交換）することが可能です。

ただし、銀行はあくまで「両替」を行う場所です。手数料がかかる場合があるほか、古銭としてのプレミア（付加価値）は一切考慮されません。

たとえ買取市場で10万円の価値がつく聖徳太子の一万円札であっても、銀行では1万円としてしか交換できないのです。

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見つけた昔のお金はどうするのが一番良い？

実家の片付けや遺品整理などで昔のお金を見つけたとき、どう対処すべきか迷うかもしれません。
ここでは、価値を知らないまま損をしないための方法と、価値の最初の見極め方について解説します。

結論：自己判断で処分せず専門業者に査定を依頼する

価値が分からない昔のお金を見つけた場合、自己判断で処分するのはおすすめできません。
もし価値のある品だった場合、後で大きな後悔につながる可能性があるためです。

銀行に持ち込んでも額面通りの両替にしかならず、リサイクルショップでは専門知識がないため安く買い叩かれるリスクがあります。

まずは古銭や旧紙幣の専門知識を持つ買取業者に査定を依頼し、その「本当の価値」を知ることが重要です。

多くの業者では無料査定を行っているため、気軽に相談してみると良いでしょう。

価値がつくかどうかの最初の見極め方

すべてを査定に出すのが面倒だと感じる場合、価値がつく可能性のあるお金にはいくつかの特徴があります。
専門家でなくても、以下の点を確認してください。

ただし、紹介した特徴はあくまで一例です。

自分では価値がないと思っていても、思わぬ高値がつくケースもあります。最終的な判断は専門家に任せるのがおすすめです。
価値があるかもしれない品を銀行に持ち込むのは、大きな損につながる可能性があるため注意が必要です。

昔のお金を売却する主な方法とメリット・デメリット

昔のお金の価値が分かったら、次は「どこで売るか」を考える必要があります。
売却方法はいくつかあり、それぞれにメリットとデメリットが存在します。

• 専門の買取業者：出張・宅配・店舗
• ネットオークション・フリマアプリ
• リサイクルショップ・金券ショップ
• 遺品整理・生前整理と同時に売る方法

専門の買取業者：出張・宅配・店舗

古銭や旧紙幣の買取を専門に行う業者です。専門知識を持つ鑑定士が査定するため、信頼できる方法の一つです。
買取方法には主に3つのパターンがあります。

買取方法	メリット	デメリット
店舗買取	その場で鑑定・現金化できる。鑑定士と直接話せる。	店舗まで品物を持ち込む手間がかかる。
出張買取	自宅で待つだけでよい。大量にあっても運ぶ手間がない。	業者と日程を調整する必要がある。
宅配買取	自分の都合で発送できる。近所に店舗がなくても利用可能。	現金化までに時間がかかる。梱包の手間がかかる。

ネットオークション・フリマアプリ

インターネットを通じて、個人間で売買する方法です。

メリットは、収集家が直接入札するため、予想外の高値がつく可能性がある点です。

デメリットは、出品、撮影、梱包、発送など、すべての手間を自分で行う必要がある点です。また、価値を正確に知らないと安すぎる価格で売ってしまうリスクや、個人間トラブルの可能性もあります。

リサイクルショップ・金券ショップ

街中にあるリサイクルショップや金券ショップでも、古銭や旧紙幣を買い取っている場合があります。

メリットは、店舗数が多く、気軽に立ち寄りやすい点です。

しかし、デメリットとして、専門の鑑定士がいない場合がほとんどです。

そのため、古銭の本当の価値が分からず、非常に安い価格で買い叩かれるリスクが高い方法といえるでしょう。

遺品整理・生前整理と同時に売る方法

遺品整理や生前整理の際に見つかった場合、整理業者にそのまま買取を依頼する方法もあります。

メリットは、片付けと買取の窓口が一つになるため、手間が大幅に省けることです。

デメリットは、その整理業者が古銭の専門知識を持っているとは限らない点です。

価値を見落とされる可能性もあるため、依頼する場合は業者が「古物商許可」を持ち、専門の鑑定士と提携しているかを確認することが重要です。

損をしないための信頼できる買取業者の選び方

昔のお金を売却し、損をしないためには、信頼できる業者を選ぶことが不可欠です。
悪質な業者に騙されないよう、以下のポイントを確認してください。

• 「古物商許可」の有無を確認する
• 専門の鑑定士が在籍しているか
• 査定料やキャンセル料が無料か
• 買取実績や口コミが豊富か

「古物商許可」の有無を確認する

中古品（古銭も含む）の買取を行う業者は、法律に基づき、都道府県の公安委員会から「古物商許可」を得る必要があります。

優良な業者であれば、必ずウェブサイトの会社概要や店舗の見やすい場所に「古物商許可番号」を記載しています。

古物商許可がない業者は違法である可能性が高く、トラブルの原因となるため、絶対に取引してはいけません。

専門の鑑定士が在籍しているか

古銭や旧紙幣の価値は、非常に専門的な知識がないと正しく判断できません。その道に精通した専門の鑑定士が在籍しているかを確認してください。

ウェブサイトに鑑定士の紹介や、古銭の専門的な買取実績が豊富に掲載されているかが判断基準となります。
アルバイトスタッフがマニュアルで査定するような業者では、希少性が見落とされる可能性があります。

査定料やキャンセル料が無料か

多くの優良業者は、査定料、出張料、キャンセル料などを無料としています。

査定を依頼する前に、必ず料金体系を確認してください。

「査定は無料」と謳っていても、査定金額に同意せずキャンセルした場合に、高額な手数料を請求する悪質な業者も存在します。

一切費用がかからずにキャンセルできる業者を選ぶことがおすすめです。

買取実績や口コミが豊富か

業者の信頼性を判断するために、過去の買取実績や利用者の口コミも重要な情報源です。

ウェブサイトなどで「どのような古銭をいくらで買い取ったか」という実績が具体的に公開されているかを確認します。

また、実際に利用した人の評価（Googleマップの口コミやレビューサイトなど）も参考にします。
ただし、口コミはあくまで参考程度とし、総合的に判断することが大切です。

査定前にチェックすべきこと・価値を高めるポイント

昔のお金の価値を少しでも高め、損をしないために、査定に出す前にできる準備があります。
3つのポイントを押さえておいてください。

• 無理に洗浄・クリーニングしない
• 鑑定書や付属品は揃えておく
• できるだけまとめて査定に出す

無理に洗浄・クリーニングしない

古銭が汚れていると、綺麗にしたくなるかもしれませんが、自己判断での洗浄は絶対に避けてください。

古銭の価値は、年代を経て自然についた「サビ」や「汚れ」も含めて評価されることがあります。
無理に磨いたり薬品で洗浄したりすると、表面が傷つき、かえって価値を著しく下げてしまう可能性があるのです。

見つけたままの状態で査定に出すのがおすすめです。

鑑定書や付属品は揃えておく

もし購入時のケース、鑑定書、説明書などが一緒に保管されていた場合は、必ずセットで査定に出してください。

鑑定書や付属品は、その古銭や記念硬貨が「本物である」という証明になります。

また、収集家にとっては付属品も含めてコレクションの一部であるため、揃っていることで査定額が上がることが期待できます。

できるだけまとめて査定に出す

価値があるか分からない古銭が大量にある場合、自分で選別せずにそのまままとめて査定に出すことをおすすめします。

一点一点は価値が低くても、まとめて売ることで買取価格がつく場合があります。

また、業者側も一度に多くの品目を査定できるため、買取額を上乗せしてくれる可能性もあります。

仕分けが面倒だと感じる場合も、そのまま専門家に見てもらうのが効率的です。

昔のお金 価値に関するよくあるご質問

昔のお金の価値に関して、本文で触れきれなかった疑問や、よくある質問を解説します。

Q1. これから価値が上がる可能性のある古銭はありますか？

古銭の価値は、収集家の需要と市場の流通量で決まるため、将来的に価値が上がる可能性は常にあります。
特に、素材に金や銀が使われているものや、発行枚数が少なく人気のあるデザインのものは、資産価値として価値が下がりにくい傾向があります。

Q2. 大量にあって仕分けが面倒ですが、どうすればよいですか？

大量にある場合、自分で仕分けをする必要はありません。

価値があるものとないものが混ざった状態のまま、専門の買取業者に査定を依頼するのが効率的です。
出張買取や宅配買取を利用すれば、自宅にいながら全て見てもらうことが可能です。

Q3. 汚れていたり、錆びていたりしても価値はありますか？

汚れやサビがあっても、価値がなくなるわけではありません。
年代物の古銭であれば、そうした自然な経年変化も含めて評価されることもあります。

ただし、状態が良いものに比べると査定額は下がる可能性があります。
無理に自分で綺麗にせず、そのままの状態で査定に出してください。

Q4. 鑑定書がないと買取してもらえませんか？

鑑定書がなくても買取は可能です。専門の鑑定士が品物そのものを見て価値を判断します。

ただし、大判・小判や一部の希少な古銭については、鑑定書があることで査定がスムーズになり、高額買取につながりやすくなるのは事実です。

Q5. 遺品整理で見つかった場合、相続税の対象になりますか？

故人が収集していた古銭や記念硬貨も「相続財産」の一部として扱われます。

その際、額面ではなく、市場での取引価格（時価）で評価され、他の財産と合わせて相続税の課税対象となる可能性があります。

価値が不明な場合は、税理士や専門の買取業者に相談することをおすすめします。

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まとめ

この記事では、昔のお金 価値について解説しました。

価値がある昔のお金には「希少性」や「状態の良さ」といった特徴があります。
しかし、素人目での判断は難しく、銀行での両替ではプレミア価値が反映されず損をする可能性があります。

価値を知らずに処分して後悔したり、リサイクルショップで安く買い叩かれたりするリスクを避けることが重要です。

まずは古銭や旧紙幣の専門知識を持つ買取業者に無料査定を依頼し、その「本当の価値」を確かめてみるのがおすすめです。