
遺品整理で出てきた品物を買取に出せば、整理にかかる費用負担を軽減できるだけでなく、故人が大切にしていたものを次の価値へと繋げられます。
しかし、いざ買取を検討しても「何が売れるのか分からない」「悪質な業者に安く買い叩かれないか」といった不安はつきものです。
この記事では、遺品整理で買取できる品物が出てきたときの対処法について解説します。
買取対象となる遺品の種類から、3つの買取方法のメリット・デメリット、また信頼できる専門業者の選び方まで詳しく説明します。
初めて遺品の買取を検討する方や、損をせずに任せられる方法を知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
目次
遺品整理で買取可能な遺品が見つかったときはどうすればいい?

遺品整理中に買取できそうな品物が見つかった際の、主な対応方法を解説します。
時間や心の負担を軽減し、トラブルを避けるためには、専門家の力を上手に借りることが鍵となります。
この見出しでは、以下の3つのポイントについて説明します。
- 結論:専門業者への一括依頼がおすすめ
- 一括依頼で時間と心の負担が軽くなる理由
- 買取価格の最大化とトラブルを避けるメリット
結論:専門業者への一括依頼がおすすめ
遺品整理で見つかった買取可能な品物は、遺品整理業者に整理と買取をまとめて依頼するのが最もおすすめです。
故人を亡くした悲しみの中、煩雑な作業を自分で行うのは大きな負担です。専門業者は遺品の仕分けから不用品の処分、そして買取査定までを一度に引き受けてくれます。
時間的、精神的な負担が大幅に軽減され、故人との思い出に静かに向き合うための、大切な時間を持つことにもつながるでしょう。
一括依頼で時間と心の負担が軽くなる理由
業者への一括依頼は、遺族の貴重な時間と心の平穏を守るために非常に有効な方法です。
自分で買取先を探す場合、品物のジャンルごとに複数のリサイクルショップや専門店へ連絡し、査定を依頼する手間が発生します。大量の遺品を自分で運ぶ労力も無視できません。
遺品整理業者に依頼すれば、これらの作業を全てワンストップで代行してくれます。遺族が何度も現場に立ち会う必要はなく、面倒な手続きから解放される点が大きなメリットです。
買取価格の最大化とトラブルを避けるメリット
専門業者は、遺品の価値を正しく評価し、不当な取引トラブルから遺族を守る役割も担います。
専門の査定士が在籍する業者であれば、骨董品や美術品など、価値が分かりにくい品物も適正価格で査定します。
価値ある遺品を不当に安く手放してしまうリスクを防ぐことが可能です。
また、遺品の売却は親族間のトラブルに発展する可能性もあります。信頼できる第三者として業者が介入することで、公平な現金化が実現し、後の問題を未然に防ぐ効果も期待できます。
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買取対象になる遺品とならない遺品の見分け方

遺品整理で見つかる品物の中には、どのようなものが買取対象になるのでしょうか。
ここでは、高価買取が期待できるジャンルや、価値が分かりにくいものの例、反対に買取が難しい品物について解説します。
- 高価買取が期待できる遺品のジャンル
- 遺品の価値が分からなくても諦めない
- 買取が難しい遺品とは
高価買取が期待できる遺品のジャンル
遺品の中には、高価買取が期待できる品物が数多く含まれている可能性があります。代表的なジャンルは以下の通りです。
- 貴金属・宝石類:指輪、ネックレス、金やプラチナ製品など
- ブランド品:バッグ、時計、財布など
- 骨董品・美術品:掛け軸、絵画、陶磁器、茶道具など
- 着物:有名作家の作品や状態の良いもの
- 古銭・切手:記念硬貨、古い紙幣、記念切手コレクションなど
- カメラ・オーディオ機器:有名メーカーの古いモデル
- その他:楽器、趣味のコレクション、新しい年式の家電など
上記の品物が見つかった場合は、専門家による査定を検討しましょう。
遺品の価値が分からない場合でも諦めないで!
自分には価値がないと思える品物でも、専門家が見れば高値がつくケースは少なくありません。
例えば、故人の趣味で集めていた古いおもちゃやレコード、万年筆なども、コレクターにとっては価値ある品物です。書き損じのハガキや古い雑誌、昔の贈答品なども思わぬ価格で買取される可能性があります。
自己判断で処分してしまう前に、一度プロの査定を受けることをおすすめします。価値ある遺品を見逃して後悔することを防げます。
買取が難しい遺品とは?
全ての遺品が買取対象となるわけではなく、値段がつかないものも存在します。
一般的に、使用済みの食器や寝具、下着類といった衛生面で問題があるものは買取が困難です。
また、以下のような品物も対象外となることがほとんどです。
- 大きな傷や故障がある家具や家電
- 開封済みの食品や薬品
- 法律で所有が制限されているもの
買取が難しい品物は、遺品整理業者に依頼して適切な方法で処分してもらうことになります。
遺品の買取方法3つとメリット・デメリット

遺品を買取に出す主な方法には3つの選択肢があります。
それぞれのメリットとデメリットを比較し、自分の状況に合った方法を選ぶことが重要です。
- 遺品整理業者に整理と合わせて依頼する
- リサイクルショップや専門買取店に自分で持ち込む
- フリマアプリやネットオークションで自分で売却する
買取方法 | メリット | デメリット | おすすめな人 |
---|---|---|---|
遺品整理業者 | ・整理、処分、買取を一度に任せられる ・手間と時間が大幅に削減できる ・専門的な査定が期待できる | ・業者選びを慎重に行う必要がある ・出張費などがかかる場合がある | ・時間や体力に余裕がない人 ・大量の遺品をまとめて片付けたい人 ・面倒な手続きを避けたい人 |
リサイクルショップ等 | ・その場で現金化できることが多い ・気軽に持ち込める | ・価値ある品も安く査定される可能性がある ・自分で運搬する必要がある ・買取できない品は持ち帰る必要がある | ・品物の数が少なく、自分で運べる人 ・すぐに現金が必要な人 |
フリマアプリ等 | ・自分で価格設定でき、高値で売れる可能性がある ・希少品はコレクターが見つかりやすい | ・出品、梱包、発送の手間がかかる ・売れるまでに時間がかかる ・購入者とのトラブルのリスクがある | ・時間に余裕があり、手間を惜しまない人 ・特定のジャンルの品物を売りたい人 |
失敗しない遺品整理・買取業者の選び方

信頼して遺品整理と買取を任せられる業者を選ぶためには、いくつかの重要なチェックポイントがあります。
悪質な業者とのトラブルを避けるため、以下の点を確認しましょう。
- 「古物商許可」を持つ正規の業者か
- 買取したいジャンルの専門性や実績
- 複数の業者からの相見積もり
- 注意すべき悪質業者の特徴
「古物商許可」を持つ正規の業者か
中古品や古物の買取を行うためには、「古物商許可」が法律で義務付けられています。
許可は、都道府県の公安委員会が発行するもので、正規の事業者であることの証明です。無許可で営業している業者は違法であり、トラブルに巻き込まれるリスクが非常に高くなります。
優良な業者は、自社のウェブサイトやパンフレットに許可番号を明記しています。見積もり時に提示を求めるなど、契約前に必ずその有無を確認しましょう。
買取したいジャンルの専門性や実績
遺品整理業者によって、買取の得意分野は異なります。
例えば、骨董品や美術品を正しく評価するには、専門的な知識と経験が不可欠です。
着物や古銭なども同様に、専門の査定士がいるかどうかで買取価格が大きく変わる可能性があります。
業者のウェブサイトで買取実績を確認したり、問い合わせ時に売りたい品物のジャンルに強いかを確認したりすることが大切です。専門性のある業者を選ぶことが、価値の最大化につながります。
複数の業者からの相見積もり
業者を選ぶ際は、必ず2〜3社から見積もりを取り、内容を比較検討することが重要です。これを相見積もりと呼びます。
相見積もりを取ることで、料金相場が把握でき、極端に高額な、あるいは安すぎる業者を避けられます。料金だけでなく、作業内容やスタッフの対応、買取査定の丁寧さなども比較しましょう。
面倒に感じるかもしれませんが、この一手間が、後悔しない業者選びとトラブル防止の鍵となります。
注意すべき悪質業者の特徴
残念ながら、遺品整理業界には悪質な業者も存在します。以下のような特徴を持つ業者には注意が必要です。
- 事前の説明なく、作業後に高額な追加料金を請求する
- 価値のある貴金属などを安く買い叩こうとする
- 回収した遺品を不法投棄する
- 契約を急かしたり、強引な態度を取ったりする
- 会社の所在地や連絡先が不明確である
突然訪問してきたり、電話で勧誘してきたりする業者も注意が必要です。少しでも不審に感じたら、きっぱりと断る勇気を持ちましょう。
遺品整理と買取を依頼する際の具体的な流れ

遺品整理業者に買取を依頼する場合、一般的に以下のステップで進みます。
全体の流れを把握しておくと、スムーズに依頼できるでしょう。
- ステップ1:問い合わせ・無料見積もりの依頼
- ステップ2:訪問見積もりと査定
- ステップ3:契約内容の確認と作業日の決定
- ステップ4:遺品整理と買取作業の実施
- ステップ5:作業完了と精算
ステップ1:問い合わせ・無料見積もりの依頼
まずは、気になる業者に電話やウェブサイトのフォームから連絡を取ります。
そのとき、整理したい家の間取りや荷物の量、買取を希望する品物などを伝えるとスムーズです。
多くの業者が無料で見積もりに対応しています。この段階で、訪問見積もりの日程を調整します。スタッフの電話対応の丁寧さも、業者を見極める一つのポイントになります。
ステップ2:訪問見積もりと査定
約束の日時に、業者のスタッフが現地を訪問し、荷物の量や作業内容を確認して見積書を作成します。
買取を希望する品物がある場合は、そのときに査定も同時に行ってもらうのが一般的です。査定額の根拠などを丁寧に説明してくれるかどうかも、信頼できる業者かを見極める上で重要です。
ステップ3:契約内容の確認と作業日の決定
見積もり内容や査定額に問題がなければ、契約を結びます。
契約書には、作業範囲や料金、キャンセル料の規定などが明記されています。後々のトラブルを防ぐため、契約内容は隅々まで確認し、不明な点は必ず質問しましょう。
内容に合意したら、実際に作業を行う日程を決定します。
ステップ4:遺品整理と買取作業の実施
契約した日時に、業者のスタッフが訪問して作業を開始します。
遺族の指示に従い、遺品を「残すもの」「処分するもの」「買取するもの」に丁寧に仕分けしていきます。貴重品が見つかった場合は、その都度報告してくれる業者が信頼できます。
作業は数時間から数日にわたることがありますが、基本的に遺族がずっと立ち会う必要はありません。
ステップ5:作業完了と精算
全ての作業が完了したら、部屋の状態を確認します。問題がなければ、料金の精算です。
遺品整理の費用から買取金額を差し引いた額を支払うのが一般的です。買取金額の方が上回った場合は、差額を現金で受け取ります。
一連の作業で、遺品整理と買取に関する全ての手続きが完了となります。
遺品の買取価格を少しでも高くするためのコツ

故人が大切にしてきた遺品は、少しでも高く評価してもらいたいものです。
査定前にいくつかのポイントを押さえておくと、買取価格がアップする可能性があります。
- 付属品や保証書を揃える
- 自分でできる範囲で清掃する
- 複数の品物をまとめて査定に出す
- 価値が不明な骨董品は無理に触らない
付属品や保証書を揃える
購入時に付いていた付属品は、できるだけ揃えて査定に出しましょう。
時計やブランド品の箱、保証書、宝石の鑑定書などがあると、本物である証明になり、査定額が上がりやすくなります。家電製品の場合は、説明書やリモコンなども重要です。
遺品を整理する際は、これらの付属品を誤って処分しないように注意が必要です。
自分でできる範囲で清掃する
品物の見た目のきれいさも、査定額に影響します。ホコリを拭き取ったり、簡単に落ちる汚れをきれいにしたりするだけで、査定士に与える印象は大きく変わります。
品物を大切に扱ってきたというアピールにもつながるでしょう。
ただし、無理な清掃は禁物です。特に骨董品などは、誤った手入れで価値を下げてしまう恐れがあるため、注意が必要です。
複数の品物をまとめて査定に出す
買取を依頼する品物が複数ある場合は、一点ずつではなく、まとめて査定に出すことをおすすめします。
業者側としても、一度の出張で多くの品物を買い取れる方が効率的です。そのため、品物の点数が多いと、全体の買取価格に上乗せしてくれる可能性があります。
遺品整理では様々なジャンルの品物が出てくるため、この方法は特に有効といえるでしょう。
価値が分からない骨董品は無理に触らない
価値がよくわからない骨董品や古い美術品が見つかった場合は、下手に触らず、そのままの状態で査定してもらうのが賢明です。
専門知識がないまま手入れをしようとすると、かえって品物を傷つけてしまい、価値を大きく損なう原因になりかねません。
ホコリをかぶっていても、その状態が年代を示す証拠となる場合もあります。
専門の査定士に判断を委ねることが、最も確実な方法といえるでしょう。
買取が難しい遺品の処分方法と供養

買取の値段がつかなかった品物や、そもそも買取対象外の遺品も、適切に対応する必要があります。
ここでは、思い出の品の保管方法と、供養が必要な品の依頼先について解説します。
思い出の品のデジタル化や保管
故人の写真や手紙、日記などは、金銭的な価値はありませんが、遺族にとってはかけがえのない宝物です。
全てを物理的に保管するのが難しい場合は、スキャナーやスマートフォンでデジタル化して保存する方法があります。データとして残すことで、いつでも思い出を振り返ることが可能です。
特に大切なものだけを厳選して、専用の思い出ボックスなどに保管するのも良いでしょう。
仏壇や人形など供養が必要な品の依頼先
仏壇や仏具、ひな人形、ぬいぐるみなど、故人の魂が宿るとされる品々の処分に悩む方は少なくありません。
これらの品物は、お寺や神社で供養やお焚き上げを依頼するのが一般的です。また、多くの遺品整理業者が、合同供養などのサービスをオプションで提供しています。
処分に困る品物があれば、こうしたサービスの利用も検討すると良いでしょう。
遺品整理の買取に関するよくあるご質問

Q. 遺品と不用品の違いは何ですか?
法律上で「遺品」と「不用品」に明確な定義があるわけではありません。一般的に、故人が所有していた品物はすべて「遺品」と捉えられます。
その遺品の中から、遺族が相続するものや形見分けで引き取るものを除き、手放すことになった品物が「不用品」として扱われます。ただし、遺族にとって不用品であっても、第三者から見れば価値のある買取可能な品物であるケースは少なくありません。
大切なのは、単に不要かどうかで判断するのではなく、故人との思い出や品物の価値を考慮して、丁寧に仕分けをすることです。
Q. 買取を依頼する前に親族への相談は必要ですか?
買取を依頼する前には、他の親族(相続人)へ必ず相談することをおすすめします。相談なく進めることは、後のトラブルを避けるために絶対に避けるべきです。
民法上、遺品は相続人全員の共有財産と見なされます。そのため、一人の判断で勝手に売却してしまうと、親族間で大きな問題に発展する可能性があります。
「どの品物を誰が形見として受け取るのか」「売却して現金化するのか」について、事前に相続人全員で話し合い、合意を形成しておくことが重要です。特に高額な品物については、書面で合意を残しておくとより確実でしょう。
Q. 査定金額に納得できない場合はキャンセルできますか?
査定金額に納得できない場合、契約前であれば問題なくキャンセルできます。
優良な業者であれば、査定の結果を聞いた後に依頼をしなくても、キャンセル料や出張費を請求することはありません。査定や見積もりは、あくまで契約を結ぶかどうかを判断するための材料です。
もしキャンセルを申し出た際に、業者が高圧的な態度を取ったり、不当な料金を請求してきたりした場合は注意が必要です。契約を結ぶ前に、キャンセルに関する規定をしっかりと確認しておきましょう。
Q. 遺品の売却で得たお金に税金はかかりますか?
遺品の売却で得たお金は、基本的に非課税となるケースが多いです。家具や家電、衣類といった「生活用動産」の売却で得た利益には、所得税はかかりません。
ただし、1点または1組の価格が30万円を超える貴金属や宝石、書画、骨董品などを売却した場合は、「譲渡所得」として所得税の課税対象となる可能性があります。
これは相続税とは別の税金です。高額な品物の売却を検討していて、税金について不安な場合は、専門家である税理士や管轄の税務署に相談することをおすすめします。
Q. 生前整理の段階でも買取は依頼できますか?
はい、生前整理の段階で買取を依頼することは可能です。むしろ、多くのメリットがあるため非常におすすめです。
本人の意思で、残すものと手放すものを判断できるため、後悔のない整理ができます。また、元気なうちに自分の持ち物の価値を知り、売却して得たお金を老後の資金や家族のために使うことも可能です。
何より、将来遺される家族の負担を大幅に軽減できるという点が最大のメリットといえるでしょう。多くの遺品整理業者が生前整理やその際の買取にも対応していますので、気軽に相談してみてください。
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まとめ
この記事では、遺品整理で買取できる遺品が出てきた際の対処法について解説しました。
最も重要な点は、時間と心の負担を減らし、遺品の価値を最大化するためには、信頼できる遺品整理業者に整理と買取を一括で依頼するのが最善であるといえるでしょう。
自分で全てを行おうとすると、専門知識の不足から価値ある品を見逃したり、悪質な業者とのトラブルに巻き込まれたりするリスクがあります。
専門家の力を借りることは、単なる手間削減ではなく、故人の遺品を正しく評価し、守ることにも繋がります。
まずは複数の専門業者から見積もりを取り、対応の丁寧さや買取実績などを比較検討することから始めてみるのがおすすめです。